浄土真宗と他の宗派との違い
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こんにちは。仏教普及会 釈です。私は浄土真宗の僧侶ですが、現在、浄土真宗は日本で最も信者数が多い仏教宗派の一つとなっています。そしてその考えと儀式は他の仏教の宗派と異なります。それは何だと思いますか?本日は浄土真宗と他の宗派との違いをお話していこうと思います。

他の宗派とは根本の考え方が違う
浄土真宗の最も重要な考え方は『他力本願』です。それはどういう意味なのでしょうか?
それまでの仏教の考えは『自力』で修業をすることにより極楽浄土に行くという考えでした。しかし、浄土真宗の開祖・親鸞は阿弥陀仏のご慈悲によってすべての人々が平等に極楽浄土に往生できると説いたのです。
浄土真宗の核心の思想
1.『他力本願』
浄土真宗は、自力ではなく阿弥陀仏の慈悲によって救われる「他力本願」を説き、他宗派が重視する自力による修行や努力を否定しています。
2.厳しい戒律がない『肉食妻帯』
それまでの仏教では肉を食べず、妻を持つことを禁止していました。しかし浄土真宗では、「肉食妻帯」は特別なものではなく、むしろ公然と認められています。これは、開祖・親鸞聖人の教えに基づき、肉食妻帯をしても浄土に往生できると説かれたためです。
3.『悪人正機』
親鸞の言葉:「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」(善人でさえ往生できるのだから、まして悪人はいうまでもない)
ここでいう「悪人」は、社会的な地位や行動ではなく、煩悩にとらわれた、自己中心的で救いようのない者を指します。「悪人正機」は、悪を勧めているわけではなく、人間の煩悩に満ちた姿を認め、阿弥陀仏の慈悲の大きさを説くものです。


他の宗派とは違う、浄土真宗の葬儀
1.旅自宅をしない
他の宗派では故人が無事に来世に辿り着けるように故人に旅自宅をさせるのが一般的です。ですが、亡くなってすぐ往生をする浄土真宗では死出の旅には出ません。三途の川も渡りません。なので、手足を守る手甲や足袢旅道具を入れる頭陀袋や杖や三途の川の渡し賃と言われる六文銭などいわゆる旅道具を用意することはないんです。
2.清め塩を使わない
浄土真宗では死を穢れとは考えません。通夜や葬儀に参列しても身を清める必要はないんです。通夜や葬儀で配られる清め塩を使いません。
3.戒名をつけない
戒名は迷わず極楽浄土に辿り着くために仏教の厳格な戒律に基づいて修行の証としていただく名前なんです。現世で仏様への信心を誓い、極楽浄土へ連れて行っていただくことを約束された浄土真宗の信徒に戒名はありません。ですが、浄土真宗には法名があります。法名は阿弥陀如来様の教えにお任せする人がいただける名前なんです。仏様の教えを拠り所とする証として生前にさがるものです。戒名は最後に居土や信士といった位号が付きますが、法名はすでに仏様の弟子であるという意味の釋号「釋」をつけます。
4.位牌がない
浄土真宗では、位牌は基本的に使われません。なぜなら、浄土真宗では、亡くなるとすぐに仏さまに生まれ変わる(往生即成仏)と考えられており、故人の魂が仏壇や位牌に宿るとは考えないからです。そのため、位牌を祀る必要はなく、代わりに「法名軸」や「過去帳」などを仏壇に飾ります。
※さらに詳しくは私がYou tubeで説明しておりますのでご覧ください(サンゾウ法師と名乗っています)
法話の大切さ
浄土真宗において法話は、阿弥陀如来の救いの法を讃嘆することであり、大変重要です。法話は、生きるためのヒントや教えが語られることもあります。人生の苦悩や迷いを乗り越え、より良い人生を送っていただければと思います。
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